こんにちは!
花粉の季節になりましたが、花粉症が年々よくわからないけど改善しているいわたです。
野生児。
昨日の配信ですごくいい質問をいただきましたので、ブログにて返信させていただきます。
(多分学生さん)
演奏会ってどうやってやるんですか?
いやー、もうこれ配信の時間使っても足りないぐらいなので、昨日の配信では要点だけお返事させていただいたんですが、これはブログに書こう!と思いました。
多分視聴者さんは音大生か音大受験生?なのかなーという感じだったんですが。
これは多分プロアマ問わず読んでいただけるとありがたいです。
どちらも一緒だと思いますので。
Contents
私が演奏会を運営することを知ったきっかけ
そもそも演奏会ってどうやって開催されているかというのを知る必要があります。
演奏会って自動的にできるものではありません。
必ず手順を踏んで準備して開催されています。
それは小さなカフェなどでやるものから、大きなホールでやるものまで同じだと思います。
私が演奏会を運営することに最初に関わったのは高校の定期演奏会でした。
私が在籍中は「定期」演奏会ではなかったので、毎年学生たちで話し合うんです。
定期にするかしないか、演奏会を開催するかどうか。
曲は何をやりたいか、先生は何をやりたいのか・・・・などなど。
中学校や高校の定期演奏会などでは、運営は先生の力がとても大きいです。
完全に学生主体のところもあれば、先生がある程度動かしている場合もありますし、保護者会などで動かしている場合もあります。
ホールの予約や手続きなどは大人の力を借りたほうが早いので、学生がやらない場合もあるので、知らないままということもたくさんあると思います。
演奏会に関するノウハウを学んだのは大学生の時です。
私の通っていた大学では、各楽器の専攻生による自主公演が行われていました。
後に東京音大のトランペット科の演奏会はいつでも満席になるようなすごいコンサートになっていくわけですが・・・私たちの頃は学外の人よりも学内の人が多かったんじゃないかなあと思います。それでも色んな方が来てくださるコンサートではあったのですが。
ホールの手配、演奏会当日までのスケジュールを計画、曲目の決定、スタッフの手配、印刷物の作成などなど、本当に色んな事をこの学生の時の自主公演で学びました。
今思えばこれが今の自分に繋がっているなあととても感じます。
なので、このあたりのことも含めて手順を書いていきたいと思います。
演奏会を開催するためにまずやるべきこと
演奏会を開催するには、まず「日時を決めること」が大事です。
当たり前ですが、自分がそこまでに練習して仕上げることも含めて企画します。
いきなり「よし、来月リサイタルやっちゃおう!」と思っても持ちネタがどれだけあるのか、練習1ヶ月で何曲演奏できるようにするのかなどにもよりますよね。
練習時間の確保はとても大事です。自分がどのぐらい先に目的地を置くかによっても決まると思いますので、まずは日時を決めることが一番最初になります。
そして、「やるよー」と鶴の一声で必要な人数のお客様が来てくれるようなインフルエンサーであれば問題ありませんが、大概の場合は色んな人に声をかけますよね。
それを考えると、集客に必要な時間というのも大事になってきます。
誰かの予定を確保する場合に、できるだけ早めに声掛けをするのも大事です。
自分が何ヶ月前に声をかけておいてもらいたいか、というのが基準でいいと思います。
たった1人で演奏できる楽器であればいいんですが、例えばトランペットの場合「伴奏が必要なのか必要でないのか」という問題もあります。
その場合に「舞台に立つ必要なメンバーを集める」ということも最初に必要になります。
共演したい人がいる場合は、舞台に立つ全ての人への声掛けをある程度完了させておくことは必須ですよね。
そのうえで、それと同時進行として「演奏したい(できる)会場を仮押さえもしくは空き状況を調べる」ことが必要です。
ちなみに、だいたいのホールは土日公演の場合は抽選や1年前予約だったりすることもあります。
まれにポンと空きが出ておさえられることもあったりするので、常時チェックが必要になります。
更に同時に「会場費がいくらかかるか調べておく」というのも大事です。
ちなみに、ホールに関しては会場費は前払いのところも多いです。
事前に使用料の半分や1/3程度の支払いが必要になります。
カフェやライブハウスなどは会場費がかからない場合もあります。
その場合は会場費は払わないけど、チャージバック(演奏込みのお客様の支払いする金額から何割か会場に払う、もしくは差し引きされる率)が何割になるかなど事前に調べておくことも必要だと思います。
ホールの場合は一般的にチケットの価格によって使用料が違ったりします。
なので、こちらも同時進行で「チケット代をいくらに設定するか」ということも必要になります。
ちなみに大学のトランペット科のコンサートのチケットがいまだに「999円」というのを先日聞いて爆笑しました笑
そう、いつも使用するホールが999円未満と1,000円以上だとホール利用料が違うのです。
その昔ギリギリを狙って設定したのが今の学生たち(ホントに今もそうなのかは知らないですが)もそうしているのを知って笑えてきました笑
普通に考えて999円未満となってたらキリよく900円とか800円とかでもいいと思うんですけどね笑
ここまでのまとめ。
演奏会を開催するために最初に必要なこと
・日時を決める
・会場を下調べして予約する(金額も調べる)
・舞台に立つメンバーの予定を確保する
・チケット代を設定する
演奏会当日までの流れを逆算して決める
さて、次にやることはスケジュールと必要な人員の確保です。
え?必要な人員?舞台に立つ人だけじゃなくて?
と思われたかもしれません。
演奏会を開催するには「たった1人」」ではできないのです笑
2年前に私は「岩田恵子個展」というものを開催しました。
たった1人で演奏するコンサートです。
伴奏も自分で打ち込んだりして、ゲストの方1人を除いて「舞台に立つのは自分ひとり」というものを企画して開催しました。
さて、このコンサートですが、スタッフが当日何人働いていたかと言うと、
「5人」
です。
ホールのスタッフさんも含めると「7人」です。
そう、舞台上に1人立つために、最低でも5人は必要になるんですね。
受付、ステージマネージャー、配信、照明、その他諸々・・・
演奏会を開くためにはたくさんの人の協力なくしてはできません。
なので、まず必要なこととしては「当日自分が演奏に集中するために、必要な人数と配置を考える」ことです。
私はもう自主公演を20年以上やり続けていますが、当日演奏だけに集中できる環境になったことがありません笑
これは反省材料なんですけど。
だいたい演奏会当日の歩数計を見ると1万歩以上歩いています。
つまり、当日舞台に立つ他にものすごい動いてるってことなんですね。ホールから一歩も出てないのに1万歩歩いてるんです笑
自主公演をしたことがない方は、まず他人の演奏会に行ってみてください。
受付、当日券販売、差し入れの受け口、ドア係、ステージマネージャー、撮影、録音、照明・・・・どれだけの人数がスタッフとして動いているかを観察してみるといいと思います。
吹奏楽強豪校の定期演奏会とか、ハンパなくて面白いです笑
ちなみに、カフェやライブハウスなんかはもともとスタッフさんがいて動いてくださるのでそのあたりは人員が確保されているのでいいと思います。会計もお店の方がやってくれますし。
当日の動く人数がわかって手配できたら、次はスケジュールです。
当日何人のお客様に来ていただきたいか。
例えばホールが100人のキャパの場所であれば何人ぐらいに来てほしいか。
8割ぐらい埋まると、気持ちいいですよね〜。
では仮に80人のお客様を動員したいと考えて、いつ告知するのがいいでしょうか。
自分が他人の演奏会に行くとしたら、いつまでにスケジュールを知りたいかっていうのが基準でいいと思います。
私の場合はできたら2〜3ヶ月前ぐらいにはわかっていたいかなあと思うので、極力演奏会の告知だったり、フライヤーは完成してなくてもそれより前に告知します。
ちなみに、早く告知したからと言って人が来てくれるわけではありません。
大概のお客様は直前に決めます笑
でも告知は早いに越したことはないと思います。
そういう意味で集客を逆算して告知時期を決める、というのが必要になります。
告知時期が決まると、必然的にフライヤーやチケットがいつまでに必要かということがわかります。
納期、価格などを調べて、いつ印刷物を手配するかを決めます。
印刷物の手配する日が決まったら、その前にデザインをしなくてはなりません。
外注なら誰に頼むのか、価格はどれくらいなのか、印刷込みの値段なのか、デザインのみなのか、どのくらいの期間が必要なのか。
自作するのであれば、自分がフライヤーを作るのにどのくらいの時間がかかるのか、一度架空の演奏会を設定して作ってみるのもいいです。
その気になればWordとかExcelでも作れます笑
ちょっと課金すればPhotoshopやIllustratorで作ると本物っぽくなりますが、勉強がある程度必要になります。
そして、何より膨大な数のフライヤーを研究することが必要です・・・(こことても大事)
自分がパッと見ていいなと思うもの、お客さんがたくさん来場するコンサートのフライヤー、色んなものを見て文字の大きさや写真の使い方などを見てみるのがいいと思います。
まあこのへんは余談なのでまた別の機会に。
という訳で、印刷物をいつ作成、作成依頼するか、というのを決めます。
こんな感じで、演奏会当日を想定して、逆算してスケジュールを立てていきます。
もちろん、リハーサルの日程や会場確保もこのときに必要になります。
あと、当日のことに関しては当日券を出す場合や物販をする場合は演奏会数日前に「お釣りを用意する」なども必要になってきます。
まあ当日のことは言ったらキリがないですが、細かいことまで書くと受付に必要な張り紙とか、アンケートとか、場所をバミるテープとか、ハサミとか、アンケート用の鉛筆とか、アンケート回収箱とか、感染症対策のアルコールとか、体温計とか、予備のマスクとか・・・キリがないですね笑
私のやってるグループではケータリングを用意したりするので、その準備や、打ち上げ会場の予約、当日のタイムテーブルの作成、セッティング表の作成なども含まれたりします。
とにかく一番大事なのは「当日に何が必要かをとことん洗い出す」という作業が必要です。
まとめ。
演奏会当日から逆算してスケジュールを決める
・当日必要な人の手配
・告知時期の決定
・印刷物関連のスケジュールを立てて手配する
・当日受付や裏方で必要なものを洗い出しておく
実際に動きながら修正していく
さて、ここまでくればもう後には引けません笑
ちなみに、大前提なので何も書いてませんでしたが、上記までの時点でおおよそ「演奏会にかかる費用」っていうのがわかったと思います。
もちろん、チケットが完売したりすれば運営費用は回収できるとは思いますが、「万が一チケットが完売しなかった場合」を考えて予算立てすることが大切です(耳が痛い)
なので、最初はカフェやライブスペースなど、会場費がかからない施設からスタートしてみるのが得策だと思います。
昨年までの文化庁の支援事業なんかは最初の予算立てからでしたし、まずはここが一番重要だと思います。
ただし、「お金がない人は演奏会が開けない」という訳ではありません。
もちろんこういった支援事業なども色々ありますし、そういうリサーチも大切だと思います。
静岡では、コンサート企画の募集などをするホールもあり、企画が通るとホール代が無料になったり、補助金が出たりするものもあります。
そういった助成を使いながら上手にやっていくこともできるので、まずはリサーチですね。
そして、一番大切なのは「そういう自分に賛同してくれる人と一緒にコンサートを作る」ということです。
私ももっと自分の主催するコンサートの収益を上げたいと日々思っています。
それは自分に賛同してくれている仲間たちに最大限返せるだけの感謝=金額を返したいと思っているからです。
そしてそれ以上に、そんな私の作るコンサートにたくさんの方が来てくださることに感謝をお返しするために日々楽器の技術や演奏会の中身を考えています。
会場を出るときに笑顔で帰ってくださるお客様を見るのが私の喜びでもあります。
音楽は、形のあるものではありません。
なので、心を満たせるような時間を作り上げること、これが演奏会を運営する上で一番大切なことだと思っています。
それは舞台に立つ人も、関わる人も、聞きに来てくださった方も、全ての関わった人たちが良かったなあと思えるものづくり。
そう、なので告知をしたらあと必要なことは「終わったあと自分がどんな気持ちでいられるか」ということを考えながら内容をどんどんブラッシュアップしていくことが必要なんだと思います。
演者側だったら、満足する演奏やパフォーマンスができたかどうか。
聴衆側であれば、楽しかったなあと思えるかどうか。
そして、これを1回で終わらせたらもったいないよなあと思える企画をできるかどうか。
こうやって私は演奏会をずっとやり続けてるんだと思います笑
さて、4/9(日)は主催するコンサートがあります。
目下逆算しながら奮闘中です笑
是非お越しくださいませ!!!!!!
▼チケットはこちらから!