【トランペット】低音の吹き方の留意点

トランペット

こんにちは♬
トランペット奏者・作編曲家のいわたけいこです。

最近のレッスンでは低音を重点的にやっています。
低音が安定して吹けるようになると高音も自然と安定してくるからです。

ただ、低音を練習する際に気をつけなければいけないことがいくつかあります。

まず、ここがトランペットと他の金管楽器で一番大きい違いなのですが、基本的にトランペットは(ほぼ)シングルアンブシュアで吹く楽器です。
それ以外の金管楽器は低音に関してはダブルアンブシュアになることがあるようです。
(シングルアンブシュアでできるのかもしれないので、その点については専門ではないため名言は避けます、ごめんなさい)

なので、よく言われるのが「低音になった時アンブシュアが開いた状態にならないようにする」などの言葉です。

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アンブシュアが「開く」って何?

そもそもこのアンブシュアが開くってどういう状態なのでしょうか?
基本的に、トランペットは上唇の振動で音を出す「シングルリード」の楽器です。

上唇が正常に振動するために、下唇はその上唇を支えている状態になります。
なので、一般的に演奏時は下唇は軽く巻き込むようにしていたり、しっかり口輪筋で動かないように支えている状態です。

(もちろんごく一般的な範囲の話です。そうでないアンブシュアの方もたくさんいます)

なので、演奏時下唇と上唇は少し重なったように軽く「閉じた」状態になっています。

つまり「開いた」状態はこれが維持できなくなる状態です。
よくある「開いた」状態は、下唇の支えがなくなり、下唇がめくれたような状態になったり、唇の内側の赤くて柔らかい部分を使ってしまう状態を指しています。

低音は特に唇の振動範囲が広く必要なので、どうしても「開き」がちです。
開くことで低音を出してしまう人も多く見られます。

開いてしまうと具体的にどんなことが起きるかと言うと、
音程が低めになりすぎてしまったり、
コントロールができなかったり、
そこから中高音域に戻る時にアンブシュアが開いたままになってしまい、唇を締めようとして振動部分に力を入れてしまう、
などが考えられます。

特に3つめの「音域を上げる時に唇を締めすぎてしまう」ということはよくある現象です。
これが前述の「シングルアンブシュア」ができなくなっている原因に繋がっていきます。

ダブルアンブシュアはダメなのか

このように、低音を演奏時に唇を「開いて」しまうことで、「低音を出すためのアンブシュア」と「中高音を出すためのアンブシュア」の2つに分かれてしまうことを「ダブルアンブシュア」といいます。

ただ、果たしてこのタブルアンブシュアはやってはいけないことなのでしょうか?

結論から言うと、「有り」です。
ダブルアンブシュアでも吹くことは可能ですし、そういう奏法のトランペット奏者もたくさんいます。

ただし、この場合のダブルアンブシュア、低音のときのアンブシュアは「開いた」状態とは少し違います。
あくまで上唇が低音を吹くために振動範囲を広げるために中高音域と使い分けているのであって、決してコントロールできない開いた状態にはなっていません。
そこは忘れてはいけない点だと思われます。

では、多くのダブルアンブシュアに(意識せず)なってしまう人たちはなぜ中高音域のアンブシュアにスムーズに移行できないのでしょうか。

そこに、「息のコントロール」と「高い音への考え方」そして「低音のアンブシュアのコントロール」ということが多く影響が出るのではないかと考えました。

低音演奏時の息のコントロール

低音を演奏するときは、
・振動範囲を広くすること(大きく振動すること)
・息をたくさん使うこと
を主に意識するようにレッスンでは伝えています。

トランペットの低音と呼ばれる音域は、五線の下の加線一本のドより下の音だと思われます。
この音域は、トロンボーンやホルン、ユーフォニアムなどもよく使う音域で、最初の1オクターブの中に入っている音域です。

つまり、トロンボーンやホルン、ユーフォニアムなどのトランペットよりも何倍も管が長い楽器と同じ音域を吹くわけです。

なので、息は当然ながら中高音域よりたくさん使います。

ただ、ここで気をつけたいところは息のスピードです。
トランペットは息のスピードが速くなると高い音が出る楽器なので、量が多くても一緒にスピードまで速くしてしまうと低音は発音できません。

でも息の量とスピードを分けてコントロールするって・・・難しいですよね笑

息のスピードを「ゆっくり」にしようとすると、息を支える力も一緒に「ゆるめて」しまいがちです。
息(の支え)を「ゆるめて」しまうと、息がまっすぐ楽器に入らなくなり、音程が下がります。

あくまでトランペットは息が「まっすぐ持続して息が流れる」ことでその音を維持することができる楽器なので、息そのものの支えを緩めてしまうと音として成立しなくなってしまいます。

ここで、先ほどのアンブシュアの話に戻ります。
低音を吹く時にアンブシュアを「開いて」しまって「音程が下がる」と書きました。
そう、実はこれ、開いているから音程が下がるのではなくて「息の支えがゆるんでいるから音程が下がる」のではないかということも考えられます。

つまり、ダブルアンブシュアでも演奏が可能な人の場合アンブシュアが変化していても、息を適切にコントロールしていれば可能だということになります。

アンブシュアは結果

以前にもアンブシュアに関する記事はいくつかnoteも含め書いていますが、
アンブシュアというのは人それぞれ違っていて、必ずしも何が正しいアンブシュアなのかということは一概には断定することは出来ません。

ものっすごい変なアンブシュア(失礼)でも、とてもリラックスして美しい音が出る方もいますし、いわゆる「正しいアンブシュア」っぽく見える方でも音がつまっていたりノイズが入る人もいます。

原因はアンブシュアひとつだけではなく、何か他にも原因があるのです。

なので、他にも「息のコントロール」であったり「脳内のコントロール」であったり「体のコントロール」などが複合的に考えられていたりバランスが取れることで、より「自分の目指す音」に近づいていくのだと考えられます。

このように、原因はいくつか必ず存在します。
低音もただ「開いて」いるだけでなく、息の使い方も必要ですし、中高音のときのアプローチ、考え方なども全て影響してきます。

低音のコントロールができることで色んなことが改善する

高い音というのは、アプローチする時に色んな方法も出ていますし、トランペットを吹いているとやはり憧れるものです。
そのぶん、精神的な面で頑張りすぎてしまったり、体力的にも疲れてしまったり、調子を崩すことに繋がりかねない部分もたくさんあります。

もちろん、高い音へのアプローチをトレーニングすることも大事ですが、比較的挑戦しやすいこの低音のアプローチのトレーニングをやってみることをおすすめします。

練習方法は簡単。
スケールなどで「ドより下」を練習したり、ロングトーンやスラーの練習などにもかならず低音を組み込むことです。

ペダルトーンなども練習してみるのもいいかもしれません。

そして「低音から中高音まで繋げて演奏する練習」というのが一番自分の状態を観察することができるので、2オクターブのスケールをやってみたりするのをおすすめします。

是非やってみてくださいね。

ではまた。ばいば〜い!

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